1年間も育休って、暇じゃないの?育休中、何してるの?
男性の育休はまだまだめずらしいからか、こんなことを聞いてくる友人、職場の男性、親・・・。
全国のママさんたち、全員で怒っていいですよ(笑)
育休中に何をしているかって?
育休だよ!!!!!!!
このくだりを、半年間で30回はしたと思います。(笑)
この記事は、育休を取りたいパパや、夫に育休を取ってほしいママの後押しをするために書きました。
もっと育休を取りやすく、もっと子育てしやすい世界を目指して・・・。
なぜ育休を取ろうと思ったのか。
「今日、なんで朝ごはん食べた?」
こんなこと聞かないですよね?(笑) それが当たり前だからです。
よく言われる質問。「なんで育休取ったの?」
えっ? 当たり前じゃん・・・。
これが僕の本音です! 取るのが当たり前。むしろ、「なんで育休とらないの?」と、世の男性陣に問いたいです。
実際に、僕が育休を取った理由は3つあります。
理由① 子育ては母や義母がやる? もちろん夫婦!時代は令和です。
1つめの理由は、考え方の違いです。
僕にとって、育休を取るかどうかは別にして、自分が子育てをするのは当たり前です。
昔の考え方では、パパが外で稼ぎ、ママが家で家事をする。それが当たり前の世界でした。
パパは仕事だけをし、家事や子育てはママに任せっぱなし。そんなママを専業主婦と言い、奥さん(家の中=奥にいる)と呼ぶこともありますね。
これは、ママパパが自分の親世代と一緒に、三世代で住んでいたからこそ、問題なく子育てができていた仕組みだと思っています。
核家族化が進み、共働きが増えているこの令和の時代に、子育てをママに任せるというのは時代遅れです。
(もちろん、専業主婦を否定しているわけでもないですし、三世代で住んでいた時代の方が良かったというつもりはありません。)
特に、出産直後の子育ての大変さというのは、パパたちの想像を100倍は超えてきます。
身体的にも精神的にも大変なママを支えるのは、パパたちですよ!
義実家に頼るという方法もありますが、それだけでは不十分だと思います。
誰の子なのか。それはママとパパですよね!とうことは、基本的に子育てをするのも、ママとパパです。
生物学的に、オスは子育てをしないという意見もあるかもしれませんが、これだけ脳が発達した生き物は、人間以外にいません。
世界基準で考えれば、子育てを夫婦でするのは、当たり前なのです。
少し話はそれますが、教育をするのは学校だと考えている大人が多いです。
法律によれば、教育は親がするのです。学校は、あくまでサポートです。
(詳しくは↓の目次、3-1)
理由② 産後ママの支え
先ほども書きましたが、産後ママの身体的・精神的ダメージは相当なものです。
出産の痛みに、男性は耐えられないというのも有名ですよね。
今は無痛分娩・和通分娩等もあり、出産時のママへの身体的ダメージが軽くなる場合もありますが、それでも、約9か月もの間赤ちゃんを守り、出産しただけで、へとへとですよね。
(僕の妻も無痛分娩にしましたが、回復までは相当な時間がかかりました・・・。)
さらに、精神的にも不安定になるのが産後です。ホルモンの乱れにより、ママは『産後鬱』になる可能性が高いです。
精神科の先生が言うには、産後鬱は、子育てへの不安によるものだけではないそうです。日常的なちょっとした不安や、うまくいかないことなど、原因はさまざまです。
また、産後鬱は、ホルモンの乱れで起こることなので、鬱になったママが悪いということはないそうです。
ホルモンの乱れで、誰にでもなる可能性はあるのです。
(僕は医者ではないので、正確なことは分かりません。あくまでここでは、産後ママを支えたいという思いで書いています。)
産後鬱の割合に関しては、たくさんのデータがあり、判断が難しいです。ただ、2~3割のママが産後鬱になるというデータが多いように感じます。肌感としても、ママになった僕の友達に、産後鬱による自殺未遂・入院などのケースがあるので、産後鬱は珍しいものではないと思います。
自分だけでも大変な状態のママに、経験したこともない育児が、しかも出産直後から降りかかるのです。
そんな時、パパがいてくれたら。ただ子育てを一緒にするだけでなく、産後ママの助けにもなる。
職場で育休を取ることを伝えた日、先輩ママの先生方からこんなことを言われました。
赤ちゃんの世話もそうだけど、何より、ママの支えになってあげてね!
赤ちゃんにはママパパがいるけど、ママにはパパしかいないよ!
理由③ 育休を取る制度は整いつつある。お金も大丈夫。
育児に関する法律がどんどん新しくなっていますよね。
僕は1年間の育休を取りましたが、職種や、キャリアを考えて、それは難しい人もいるかと思います。
ただ、産後1週間だけ育休を取り、仕事が落ち着いたら数か月後にもう少し取る・・・なんてこともできるようになりました。
R4年、4月~施行の、新制度
育休に関する法律の改正が、R4年、4月に施行されたばかりで、職場の上司や事務もまだ理解が追い付いていないかもしれません。こちら↓が、育休について書かれた厚生労働省のHPです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html
育休中のお金、実際はいくら!?
就業規則にもよると思いますが、基本的に育休中は、給料は出ません。
その代わり、「育児休業給付金」(=育休手当)が出ます。これは、会社からではなく、雇用保険(国)から出ます。
公務員の場合は、育児休業手当金が、共済組合から出ます。
ほどのお金がもらえます。
女性の場合、産休があるので、産休終了日の次の日からが、育休になり、育休の給付金(手当金)が出ます。
男性の場合は、育休を取った日から、給付金(手当金)が出ます。
ここからが大切です!!! じゃあ、実際にいくらもらえるの!?
ということで、僕の場合を示します。
教員6年目の僕は、家賃手当を入れないと、毎月の手取りが18万円ほどでした。
育休中は、67%ということで、およそ12万円くらいか・・・。これでやっていけるかな・・・。
と不安に思っていました。が、しかし!振込額を見てびっくり。
2100000!?!?!?
僕は勘違いをしていました。
手取りの67%ではなく、月給の67%だったのです。
普段もらっている手取りは、月給から税金等が引かれています。
ただ、育休中は税金が少ないので、実際の給付金(手当金)は毎月21万もあったのです。
もちろん、家賃手当もないので、ここから家賃を払ったり、住民税(月2万円ほど?)は払ったりしなければなりませんが、想像していたよりは経済的に余裕がありました。(妻と合わせて、ぎりぎり生活できるくらいです・・・。)
ただ、ゆっくりと子育てをできるということで、お金の余裕がなくても、心の余裕はとてもありました。
実際に、育休を取ったパパの1日を見てみましょう。
1日の流れ
生後2か月ほどは、本当に毎日壮絶でした。
訳が分からないことばかりで、1日にミルクを10回以上あげたり、オムツを12回ほど変えたり・・・。
乳児湿疹や血便、体重の変化により、病院も行きまくってました・・・。
ただ、その後落ち着いて、生後半年の今、ようやく生活のリズムが整いつつあります。
- 6:00 起床。ミルク①・オムツ①・朝のクリーム・着替え
- 7:00 散歩。その後一緒に遊ぶか寝る。
- 10:00 離乳食・ミルク②・オムツ②
- 11:00 お昼寝
- 13:00 ミルク③・オムツ③
- 13;30 お出かけや病院。もしくは寝る。
- 16:00 ミルク④・オムツ④
- 17:00 お風呂・夜のクリーム・着替え
- 19:00 ミルク⑤・オムツ⑤
- 19:30 読み聞かせ
- 20:00 寝かしつけ
ざっとこんな流れでしょうか。
何もない1日はこのような流れですが、なるべく用事を入れるようにしています。
動物園や水族館だけでなく、地域の公民館や、商業施設など、無料で遊べる場所もたくさんあります!
妻と交代でやっていますが、これを一人でやるとなると、気がめいりそうになります・・・。
もちろん、泣くこともたくさんあり、その時は抱っこが欠かせません!
子育てパパの大きな過ち
さて、子育てママなら共感するであろう項目を並べました。(実際に妻に言われたものもあります(汗))
本当に子育てをしているのか、子育てをやった気になっているだけなのか。
過ち① お風呂に入れるって、まさか入れるだけじゃないよね?
出ました!パパの育児、定番のお風呂です!
パパが思う育児:お風呂編
- お風呂に入れる。
ママがこなす本当の育児:お風呂編
- 新しい着替えを用意する。
- 防水シーツ・バスタオルを引く。
- オムツ・クリームを横に置いておく。
- 来ている服を脱がし、ネットに入れる。
- 今しているオムツを外す。(後で片づける。)
- お風呂に入れる。
- 体をふいて、クリームを塗る。
- 体に異常がないかチェックする。
- 服を着せて、髪を乾かす。
- 耳掃除や、鼻水吸引等をする。
- 先ほどのオムツや、バスタオル等を片づける。
ママさんたち、僕に足りていない項目があればぜひ教えてください。(笑)
育休を取ったからこそ、細かく把握することができました。今回は、例としてお風呂を挙げましたが、全ての育児において、このようなママとパパの差があると思っています。
自分ではやったつもりでいても、ママからすると、「中途半端ならやらない方がいい!」となることも多いそうです・・・。
過ち② 見えない仕事を誰がやっているのか。
過ち①でも例を出しましたが、育児に限らず、見えない仕事がたくさんあります。
ママを観察してみていると、自分がやりっぱなしにしていたあれこれを片づけてくれていて、自分が気づかないことをいつもやってくれているんだなと、感謝の気持ちでいっぱいです。
赤ちゃんの洋服を買うにしても、ただお店に行って買うのではなく、事前にリサーチしたり、ご飯に行くにしても、おむつ替えができるかどうかリサーチしたり・・・。今の時代、SNSの情報が役に立つため、スマホばかりいじっているママさんたちも、実はリサーチしていることも多いと思います。パパさんは好きなYoutuberやゲームばかりではないですよね!?
自分ができるかどうかは置いておいて、そういった見えない仕事もやってくれているということを知っているだけで、普段の関わりがちょっと変化するかもしれませんね!
過ち③ 子どもの世話だけで終わり?家事は?
子育てが始まると、家事も増えます。
赤ちゃんの服や食事が増えるから、当たり前と思うかもしれません。でもそれは、誰でも気づく、見える仕事です。
過ち②でもあった、見えない家事がたくさん増えているんです!
赤ちゃんのおもちゃの消毒、布団や床の掃除。赤ちゃんの周りの整頓・・・。
これらが、普段の家事にプラスして降りかかってくるのです。
よく、パパたちは、「手伝う」という言葉を使っていませんか?
ママが育児や家事をする。自分は「手伝う」。この考えは危険ですね。
小学校でも、「家のお手伝い」ではなく、「家の仕事」というように、時代は変化しています。
パパたちも、育児や家事を「手伝う」のではなく、「仕事」として、自分がやるものだという意識をもつべきだと思います。
育休を取るか迷っているパパ・夫に取ってほしいと考えているママへ
育休について、迷っているだけで、僕はそのパパを尊敬します。少しでも、ママを助けよう、育児をしようという意思の表れだからです。
長期的な育休以外の選択肢もある
夫婦で話し合って、育休を取らないという選択をしたのであれば否定はしませんが、ママは取ってほしいのに、パパに1ミリも育休をとるつもりがないのは、残念でたまりません。
育休を取ろうと思った理由③でも話しましたが、今の時代、た~くさんの制度があります。
長期間にわたる育休とは別に、妻の産前産後休暇、育児参加休暇等、会社によって様々です。
有給の制度もたくさんあります。
目的にもよりますが、1年が無理なら半年、いや、一か月、せめて数日だけでも、なんとか産後の妻を支える方法を見つけ出せるといいですよね!
長期的な育休を取りたいのに、勇気が出ない人へ
僕が育休取得にあたって、悩んだのは以下の3点です。
- お金の面
- 自分のキャリアへの影響
- 周りの視線
①お金の面
育休を取ろうと思った理由③でも書きましたが、大丈夫です。特に、ママが正社員や育休手当が出る場合は、なおさらです。
赤ちゃんの生活費が加わりますが、外食や旅行は必然的に減ります。
ママパパ復帰後に、ある程度の世帯収入が見込め、少し貯金があるのであれば、切り崩しもOKだと思います。(他人の家計のことですから、何も根拠はありませんが・・・。)
自分たちの親に頼るのも一つの選択肢だと思います。
ただ、念のために、固定費や生活費を見直したり、育休手当がいくらになるのか確認したりと、準備しておく方が良いかと思います。
僕は、固定費や生活費の見直しを、このサイト(書籍)を参考にしました。
育休にかからわず、お金についてとても良い勉強になりますよ!
②自分のキャリアへの影響
僕が1年間の育休取得を上司に相談したとき、否定はされなかったものの、「今後のキャリアをもう一度よく考えた方がいい」と言われました。
ただ、僕にとって、育児をすることはその後のキャリアにも+に働くと考えました。
小学校教員である僕にとって、小学校入学前の子どもの発達を1から見れることは、この上ない経験だと判断したからです。また、自分の子どもを大切にできないのに、他人の子どもを大切にできるのか?という疑問もありました。
(育休を取らない先生を否定しているつもりは一切ありません。僕個人の葛藤です。)
教育業界以外のパパさんたちがどう考えるかは分かりませんし、社会はまだまだ、育休を取る=キャリアを捨てるなのかもしれません。
世界に目を向ければ、文化は違えど、女性も男性も全員強制的に育児に参加する(育休をとる)国もあるようです。
僕にとっては、育休を取ることは、それほど大きな決断だったのです。
育休を取ることを応援してくれない場所なら、僕は自分からその場を離れます。
僕は、働くために生きているのではなく、幸せになるために生きているからです。
教員の仕事は、僕にとって最高の仕事です。
ただ、一番の幸せは、家族と一緒に時間を共にすることなので、それ以外のことは、取るに足らぬ小言なのです。
③周りの視線
育休は権利ですが、仕事をしている以上、義務も果たす必要があります。
なので、育休取得を決めた日から、周りの人の仕事を手伝ったり、積極的にコミュニケーションをとったりして、周りから応援されるように立ち振る舞いました。
幸い、育休取得を理解してくれる、最高の仲間、先輩方、管理職の先生方に出会うことができました。
人が足りない教育現場ですが、育休取得の前日には、全員から応援メッセージの入った色紙をいただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
権利だからと、取るのが当たり前という気持ちは心の中に閉まっておいて、義務として、一生懸命できる仕事をこなし、周りの信頼を得ていく。そして、戻ってきたら、また全力で働くことを、態度として示すことで、周りも応援してくれるのかなと思います。
まとめ
夫婦の形は人それぞれだと思います。
育休を取ることが正しいとも思わないし、パパ(もしくはママ)は外で働き、がっつり稼ぎ、そのお金で時短グッズやお手伝いさんを利用し、ママ(もしくはパパ)の育児や家事を支えるという形もありだと思います。
ただ、育休を取りたいのに取れない、取ってほしいのに取ってもらえない。その結果、夫婦や家族に溝が生まれるのは、将来的に子どもの教育を考えてもマイナスでしかありません。
教員として、より子育てしやすい国にするために、国の制度だけでなく、マイナスな同調圧力をなくしていくことが最優先だなと、この記事を書いていて改めて感じました。
朝は泣いている顔で起こされ、昼は最高の笑った顔。時々する困った顔や、抱っこされてほっとしている顔。そして、かわいいかわいい寝顔。ずっと一緒にいるからこそ、今僕は、幸せです。
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