子どもが宿題をやりたくない。先生、どうすればいい?

Twitterで何度も何度も、何度も議論になる『宿題』の在り方についてです。

正直、Twitterのような140文字では僕の考えは伝えられません!!!
先に言っておきますが、この記事は長いです(笑)

時間のないパパママは、目次から、ママパパは、家庭で、宿題をどうしていけばいいの?だけでもお読みください。

目次

そもそも、宿題って必要なの?

僕の結論は、小学校の場合に限り、

一律に全員に出す宿題には反対。でも、宿題は必要。

宿題について、ママパパたちはどうお考えですか?

多くの学校では、毎日宿題がでます。
音読・漢字ドリル・計算ドリル・・・のように、毎日ある程度の量の宿題が出るのではないでしょうか?
学年によっては、日記やプリントなど、他にもたくさんあるのかもしれません。

学校で勉強してきているのに、また家でも勉強するの?と思う人もいるかもしれません。

今まで当たり前にやってきたことに、疑問をもつのはとてもいいことだと思います。

なので、これを機に、宿題について考えてみましょう。

まずは、一律に全員に出す、多くの小学校で行われている宿題についてです。(何度も言いますが、僕は反対です。)

一律に全員に出す宿題が必要な理由①学力の向上

僕ら教員は、子どもたちを預かって、託児所として働いているわけではありません
(最近ではそういった役割も多いですが・・。)

教員の仕事の1つに、子どもたちの、確かな学力の育成があります。
そして、そのために、宿題等を出し、家庭学習も視野に入れる必要があるのです。

このことについては、学習指導要領という、文科省が作成したカリキュラムのようなものに書いてあるのです。

(ただ、のちに述べますが、宿題では学力は向上しない場合もあります。)

一律に全員に出す宿題が必要な理由②集団の形成

一律に宿題を出すことで、朝の時間(朝の会の前後)に、その宿題を隣の人や班の人と見合うこともよくあります。その中で、漢字や計算のミスを見つけ、お互いに理解を深めることを目的としている先生もいます。

話はそれますが、アメリカの研究で、ラーニング・ピラミッドというものがあります。

キャリア教育ラボ(平均学習定着率が向上する「ラーニングピラミッド」とは? | キャリア教育ラボ (mynavi.jp))より参照

宿題でのわからなかったところやミスがあった子が、自分の知識を定着させられるだけでなく、教えてあげたりミスを見つけてあげた子も、学習が定着するのです。
(いじめにつながらない等、様々な配慮が必要ですが・・・。)

一律に全員に出す宿題が必要な理由③先生たちのチェックのしやすさ

宿題を出したからには、そのチェックが必要です。小学校では、子どもたちの休み時間も含めて一緒に生活しているため、宿題を見る暇なんてありません。

7:30~8:15の間に子どもが登校するにもかかわらず、先生たちの勤務の多くは8:15からです。ほとんどの先生は、勤務時間より前に子どもの宿題を見たり、給食を5分で食べて宿題を見たり、子どもたちの昼休み(本来は先生たちも休憩時間なので、コンビニとかに行ってもいいのですが・・・)に宿題を見たりしています。

そうなると、全員同じ宿題をやってくれた方が、チェックがしやすいのです。

一律に宿題を出すことの問題点

一律に全員に同じ宿題を出すことは、意味がないという研究結果が発表されたというニュースもありましたね。やらされていると感じる子どもたちは、答えを映したり、やったふりをしたり、どんな手を使っても早く終わらせようとします。また、高学年になってくると、思春期に入り、ママパパたちに宿題を見せないなんてことも普通にあります。ほかにも、先生に怒られないように、親自身が代わりに宿題をやったり、宿題代行なんて言葉も耳にするようになってしまいました。

宿題というのは、意味がないだけでなく、むしろ子どもたちに悪影響を与える場合もあるということです。

日本の学力の高さ

いきなりですが、みなさんが考える『教育』とは何ですか?

いろいろな意見があると思いますが、私は、教育の一つの目的に、人材育成があると思います。どんな人材かというと、一言でいうと、『社会の進歩と繁栄に貢献する人』です。
『社会の進歩と繁栄に貢献する人』を育てるためには、一人一人の子どもを公平に教育し、全体的に能力を高めていく平均値を上げる教育だけでなく、リーダーを育成する教育もしなければいけません。

集団(社会)を大きく強いものにするためには、少数のリーダーと平均値の高い従業員(国民)の両方が必要であるからです。

話を戻すと、良いか悪いかは置いておいて、

日本の平均値を上げる教育、つまり、日本の学力の高さは、世界トップレベルです。

よく、日本の子どもたちは、ゆとり教育によって学力が低下したと問題視されています。本当にそうでしょうか。

確かに、国際的にみて、OECD(経済協力開発機構)の行ったPISA調査や、IEA(国際教育到達度評価学会)の行ったTIMSS調査によれば、日本の子どもたちの学力の世界順位は下がっています。しかし、この調査を行っている国が増えているため、順位が下がるのは当然ではないでしょうか。もっと言うと、総人口1億人を超える国で、ここまで平均値の高い国は、日本以外にありません!(詳しく知りたい人は、神永(2008),「学力低下は錯覚である」を。)

そう考えると、日本の平均値をあげる教育は、やはり世界トップレベルなのです。戦後、日本が平均値を上げる教育をし続けてきたからです。
(平均値を上げる教育をしすぎたせいで、リーダーを育成できていないという指摘もあります。飛び級制度もない今の日本において、どうやったらリーダーを育てていくことができるのか。日本も、これからの教育の中で、リーダーを若いうちから育成できるようなチャンスの場を多く設定し、その能力を高めていかなければいけませんね。)

日本の学力の高さと、宿題とが関係しているかどうかは、明確ではありません。
しかし、日本の教育が、学力という点においては素晴らしいものであることも事実です。

ママパパは、家庭で、宿題をどうしていけばいいの?

おそらく、今後数年間も、この宿題の流れが変わりそうにはありません。では、ママパパたちは、宿題とどう向き合えばいいのでしょうか。

完全に僕個人の意見です。他の教育関係者から批判の声があるかもしれません。参考程度に聞いてください。

そもそも、教育はだれがするのか。

学校?違います。教育基本法という法律に、教育の第一義的責任は家庭にあると明記されています。

つまり、家庭でするのです。
(もちろん、学校は保護者を支えよともありますので、なんでもかんでもママパパたちに任せるわけではありません。)

今の学校は、昔の名残で、出しゃばりすぎているところもあるなと感じています。家でのゲーム時間に関して決まり事を作ったり、宿題を出しすぎたりなど、管理が強くなってしまっていますよね。

宿題との付き合い方

結論、家庭で教育ができるのであれば、宿題はやらなくてもいいと思います。時代は、学校より家庭の考えが優先される時代になっていると思います。そういったママパパは、学校の先生に相談してみることをオススメします。自分の子どもの将来を考え、自分の子どもに合った学習をしたいというママパパがいても不思議ではありません。(ICTを用いたり、書くのが苦手な子や、読むのが苦手の子など、様々な状況があると思います。)本来は、一人ひとりに合わせて宿題も出せるといいのですが、言い訳になってしまいますが、今の日本の教育現場には、そのような予算も人も時間もないのが現状です。なので、家庭でできるのであれば、それが一番だと思います。

しかし、この記事を見ている多くの人は、共働きや、介護、育児、その他さまざまな理由で、家庭で宿題のような教育をするのは難しいのも分かっています。

その場合について、僕の考えは以下の通りです。

音読は、本当に大切だと思います。特に低学年。「、」「。」や、「は」と「わ」など、口に出して耳で聞くといった、とても効果的な方法です。なので、音読はおすすめします。
ただ、文字を追うのが苦手な子の場合は、全てでなくても、毎日少しずつでもいいかなと思います。量に関しては、家庭で決められればベストです。

漢字の宿題に関しては、書いて覚える人も、見て覚える人もいます。熟語で覚えていく人もいます。どんな方法でも、覚えることができればいいので、子どもにあったやり方でいいと思います。
ただ、同じ漢字ばかりを、ノートに書き続けるのには疑問を感じます。漢字を覚える→使うことができるにする必要があるため、漢字1文字だけ書き続けても・・・と思ってしまいます。
僕がお勧めしている漢字の勉強法は、他の記事で紹介します。

算数に関しては、授業で解き方を理解し、練習問題を数問解くパターンが多いです。授業では、時間がなく、練習問題をたくさん解くことができません。宿題は、その日の授業の合わせた計算ドリル(およそ10問~20問)が出されることが多いです。
塾でやっている・授業の内容を完璧に理解している等の場合は、計算ドリルの難しい後ろの数問だけでもいいかなと思います。わざわざ分かっていることをやらされるのは時間の無駄ですし、めんどくさくて答えを移すことは明らかです。
授業内容は理解できたが、解くのに時間がかかる場合は、全てやらなくても、数問だけ自分の力で解いてみるのもいいと思います。こういった子の多くは、全部やらないといけないと思い、結局答えを移してしまうのです。
授業内容が全く分からない場合は、本当は放課後等に先生に聞けると良いです。本来なら、先生の方から声をかけてもらえるといいのですが・・・。
家でドリルの内容が全く分からない場合は、計算ドリルではなく、もう一度教科書を見たり、計算ドリルの簡単な前の問題を数問だけ解いてみるのもいいと思います。

まとめ

宿題をなんのためにやるのかが一番重要です。

学力向上のために、ママパパ自身が自分の子どもにとってより良い方法を探すのか、そんな時間はないから、学校で出されたものの量を調整するのか。人生には、嫌なこと・無駄なことでもやらなければいけないこともあると割り切ってしまい、全ての宿題をやらせるのか。中学校であれば、内申点のために、しょうがなくやるのか。

何も考えず、ただ漢字を書くだけ、計算の答えを移すだけのために宿題をやるくらいなら、絶対にやめた方がいいです。勉強が嫌いになるだけです。まして、親がやったり、宿題代行を頼んだりする必要なんてありません。

子ども自身が、自分のためだと思って、工夫して勉強できる方法を見つけていくのが、一番理想的だと思います。
どんな方法であれ、先生に相談すれば、今の時代なら応じてくれるはずです。

(インターネットが発達し、スマホがこんなにも普及し、ブロックチェーンやメタバースの世界が広がっていく中で、本当に漢字や計算が必要なのか、そもそも論の議論もしていくべきなのかもしれませんね。)

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